オリーブオイルを調理に多用する地中海の人達が感じている素朴な疑問があります。

「炒め物や揚げ物をする時」には、
・ エキストラ・バージン・オリーブオイルを使う方がいいのか?
・ 調理用に精製されたピュア・オリーブオイルやリファイン・オリーブオイルを使う方がいいのか?
(両者の違いは、”エキストラ・バージン・オリーブオイルについて”をご覧ください。)

私たちの回答はこうです。
「はい、間違いなく、エキストラ・バージン・オリーブオイルの方が安全です。しかし、よりよい判断のために以下のことに気をつけてください。

<温度と煙点に注意>
どのタイプの油を調理に使用するのが適正なのかは、”煙点”に大きく左右されます。”煙点”とは青色や黒色の悪臭の煙があなたのフライパン上の油から発生する時の温度です。

油に含まれるいくつかの成分が燃え、その有害な煙を吸入すると、癌を引き起こす可能性があるといわれています。

そのため、あなたが行う料理に最適な”煙点”の油を選んで使用する必要があります。

<それぞれの油の煙点>
大豆油: 257º C.
ひまわり油: 225º C.
エクストラ・バージン・オリーブオイル: 190º C.
ラード: 190º C.
ショートニング: 165º C.
バター:150º C.
(1996年:Culinary Institute of Americaby所属のJohn Wiley & Sonsによって公開された研究による)

<濁った油と煙点>
遊離脂肪酸や調理中の油の中に含まれる小さな粒子により、実際の煙点は激しく変化を起こします。

油の中の小さな粒子(果肉や揚げ物からの)は、油自体よりもはるかに高速で燃え上がります。そのため、濁った油は煙点が低下しており、一般的にはあまり良くありません。揚げ物の油を何度も使用したりすることが問題なのは、揚げ物の残りかすにより煙点が低下しているからです。

<では、煙点は高い方がいいのか?>
リファイン・オリーブオイル(ピュア・オリーブオイル)やオリーブ・ポマースオイルは生産プロセスの様々な段階で綿密なフィルタリングを受け、オリーブのの色、味、匂いが削除される工業製品です。 高い煙点を持つため、これらの生産者は「調理に適したオリーブオイル」として積極的に宣伝しています。しかし、本当にそうでしょうか?
私たちは、味や風味が損なわれていることだけでなく、これらのオイルに使われているポマースオイル(搾りカスであるオリーブの種を砕いた半固体ケーキによってつくられた)が本質的な問題だと考えています。

<植物油とPAH>
ポマースオイルと同様に、植物種子油(大豆、トウモロコシ、キャノーラ、ヒマワリ、ピーナッツ、紅花、ブドウ、カボチャ、マスタード、アボガド、椿はこのカテゴリーに属します)は、冷製抽出をすることができず、「ヘキサン抽出」と呼ばれる技術によって油を抽出しています。この技術では300 º C以上の高温で油を生産するため、PAH(多環芳香族炭化水素)という発がん性の化合物群を発生させます。 皮肉なことにこれらのPAHは調理中に煙点に達したときに発生するPAHと同じものです。特にベンゾ(a)ピレネと呼ばれるPAHは最も危険だと問題視されています。 国際オリーブオイル協会の勧告を受け、EUは近年、食用油に含まれるベンゾ(a)ピレネの最大含有量を2μg/kgとする法律を定めました。 (Resolution 835/2011年)
煙点が高いというだけでオイルを選んではいけない理由がここにあります。

<エクストラ・バージン・オリーブオイル>
カン・ソリベラ(Can Solivera)社のフレッシュなエクストラ・バージン・オリーブオイルは一時的に少し濁っていますが、容器の中で自然にデカンテーションされることにより3ヶ月から6ヶ月以内にクリアになります。この濁りの元となっているものは、フィルタリングされていない果肉の小さな粒子であり、オリーブオイルが自然の製法で生産された新鮮なものである事を示しています。この濁り(果肉の粒子)は、オリーブオイルにさらに高次の味をあたえてくれる素晴らしい存在です。

<オリーブオイルの選択>
我々は、調理用の油を選択するときにに、
・ 煙点が高いがPAHを含有している油(植物油、リファイン・オリーブオイル、ポマースオイル)
を選ぶこともできますし、
・ 煙を避けるための細心の注意を払って、PAHを全く含まないエクストラ・バージン・オリーブオイル
を選ぶこともできます。

ほとんどの家庭にとって、どちらの選択をするかは簡単でしょう。