<2つの“エクストラ・バージン・オリーブオイル”とは?>

国際オリーブオイル協会は、エクストラ・バージン・オリーブオイルをオーリーブオイルの分類の中で最高クラスのものと位置付けています。
しかし、
・ 大企業が生産するエクストラ・バージン・オリーブオイル
・ カン・ソリベラ(Can Solivera)社のような小さな職人の生産者が手作りするエクストラ・バージン・オイル

上記2つには、大きな品質の差があります。

<大企業がオリーブの品種を統一できない理由>

地中海の国々のオリーブ生産業社の約80%は、協同組合により構成されています。世界最大のオリーブ生産国であるスペインでは、数千もの生産協同組合が存在し、それぞれの組合が約350人の農家会員を有しています。
ひとつひとつの農家の規模は決して大きくありません。多くの場合ひとつの農家は50本から500本分のオリーブオイルを、ワイン用のブドウの栽培と兼業して栽培しています。それぞれの小さな農家は、先祖代々受け継いだオリーブの樹を大切にしており、それらの樹が近隣の農家とは違った種類のオリーブを産み出すことを誇りに思っています。

オリーブ生産量が1000kg未満であるスペインの平均的な農家の場合、収穫量が少なすぎるために、自分たちでオリーブオイルを生産することはしません。彼らは自分たちのオリーブを、オリーブオイルの生産業社に提供しますが、自分たちのオリーブオイルの味を知りません。彼らの替わりにオリーブオイルを生産する業社は、様々な品種や品質のオリーブオイルを収穫した順にタンクで混ぜ合わせ、オリーブオイルとして販売します。

Bertolli、Carbonell、Carapelli、La Española、Borges、Koipe、Aceites del Surなどの大企業が生産するオリーブオイルの原料になっているのは、これらの協同組合が提供した様々なオリーブです。

ユニリーバ(当時オリーブオイルブランドの”Bertolli”を販売していた)のある従業員は、「私たちはマーケティングと販売の専門家で、オリーブの樹を選んだり、オリーブを育てるのは得意ではない」と説明していました。確かに彼が言うとおりです。

大企業は、多くの国と地域からできたエクストラ・バージン・オリーブオイルをタンクで混ぜ合わせて、ひとつの商品として瓶詰めして販売しています。

<最高品質の“エクストラ・バージン・オリーブオイル”とは?>

最高品質のエクストラ・バージン・オリーブオイルを作ることができるかは、以下の3つにかかっています。

・ いかにオリーブの樹を栽培するか
・ いかに健康的なオリーブを収穫するか(時期も重要)
・ オリーブを他の品種と混じらないように隔離し、特定のオリーブの品種を維持できるか?

これらの要素を検討すれば自明のとおり、職人的で小規模な生産者の方が、大企業よりはるかに品質の良いエクストラ・バージン・オリーブオイルをつくることができるのです。

早期収穫されたオリーブは、とても強くフルーティーな風味のオリーブオイルを生み出すことが出来るため、多くのトップシェフに愛されています。

しかし、大企業は、ここで説明した理由から、オリーブの収穫時期を実質的にコントロールすることはできません。

<オーガニックとトレーサビリティ>

そして、もうひとつ重要な点があります。

EUオーガニック認証は、有害な化学物質や重金属の残留物がオリーブオイルに存在していないことを保証しています。
それはオーガニックのエクストラ・バージン・オリーブオイルの製品が、完全なトレーサビリティー(産地・品質が追跡可能である事)をもつことを意味します。しかし、大企業のオリーブオイル生産者はそのようなトレーサビリティーを十分に管理出来ていません。本章で述べた通り、多くの生産者のオリーブを混ぜ合わせてしまっているからです。