<オリーブオイルの品質と種類>

1959年に国際連盟指導のもと、世界基準でオリーブオイルの品質やルールを明確にするため、I.O.O.C. (国際オリーブオイル協会)が設立されました。国際オリーブオイル協会の本部はスペインのマドリッドに位置しています。

現在、EU諸国が世界全体のオリーブオイルの75%を生産しており、 EUのオリーブオイルの基準が世界のオリーブオイルの基準になっています。国際オリーブオイル協会とEUの食品法の定めたオリーブオイルの品質分類は以下のようになっており、商品ラベルへの表示が義務付けられています。

・エクストラ・バージン・オリーブオイル(最高級品質)

エクストラ・バージン・オリーブオイルとは、新鮮で健康なオリーブを27度以下の低温で圧力をかけ抽出した一番搾りオイルのことです。 酸度(オレイン酸の過剰発現遊離脂肪酸の総量)が0.8%以下で過酸化物指数が1kgあたり20emqを超えないことが義務付けられています。その他にも様々な条件がありますが、これらのことが最も重要な指標と言えます。

・バージン・オリーブオイル(食用に使われるが、エクストラ・バージンに比べ品質が落ちる)

基本的には上記のエクスト・バージン・オリーブオイルと同様ですが、 酸度が0.8%を超え2.0%以下のものがバージン・オリーブオイルです。これらの高い酸度は様々な要因によって引き起こされます。例えばオリーブの状態が健康的でないことや、製油するまでのオリーブの保管状態が悪いこと、オイルを抽出した後空気や光に当たり過ぎることにより、油が酸化し酸度が上がってしまったことなどです。バージン・オリーブオイルには僅かな香りと味の欠陥が見受けられます。
このような理由から、バージン・オリーブオイルはしばしばリファイン・オリーブオイルと混ぜ合わせてしまい、ハーブやスパイスを注入することにより工業的に香り付けをした上で販売されています。(オリーブオイルは、良くも悪くも外部の香りを吸収しやすいことで知られています。)

・ ランプ・オリーブオイル または ランパンテ・オリーブオイル (食用には適さない)

ランパンテ・オリーブオイルは2.0%を超える酸度を持ち、悪臭と悪い味を含むオリーブ・オイルです。そのため、ランパンテ・オリーブオイルは人間の食用には適したものではありません。しかし、ある統計では、地中海地域で不作の為、最大50%のオリーブオイルがこのランパンテ・オリーブオイルに分類されたことが示されています。昔はこのランパンテ・オリーブオイルをランプとして使用していましたが、現在では、精製の為に製油所で収集されます。

・ リファイン・オリーブオイル(低い品質)【日本では「ピュア・オリーブオイル」とも呼ばれる】

このリファイン・オリーブオイルは化学的および物理的なフィルタを用い、中和、漂白、および脱臭技術を駆使して、ランパンテ・オリーブオイルを製油所で精製して生産されたオリーブオイルです。
最終製品としては、人工的に任意のビタミン又は抗酸化剤を使用して0.3%以下に酸度を設定。無臭、無色、無味になってしまっていますが、物理的にはまだオリーブオイルと言えます。このオリーブオイルはイワシ、サバ、イカ、アンチョビの保全の為に、魚の缶詰工場に使用され販売されています。しかし、現在もっとも一般的な利用方法は、15%程度のエクストラ・バージン・オリーブオイルやバージン・オリーブオイルと混ぜ合わせてしまい、炒め物用、揚げ物用として産業用に利用されたり、スーパーマーケットで販売されています。

・ リファイン・オリーブポマースオイル または オリーブポマースオイル (最低品質)

リファイン・オリーブポマースオイルの原料は、オイル抽出後に遠心分離機に残された、半固体オリーブケーキと呼ばれる「搾りかす」です。このオリーブケーキはオリーブの種で構成されていますから、「絞りかす」ではあるものの化学的処理によって幾らかのオイルを抽出することが可能です(高温でのヘキサンまたはヘプタン抽出により蒸留で生成されます)。この搾りかすオリーブオイルの物理的な見た目は、一般のオリーブオイルと同じであり、酸度は人工的・化学的に0.3%以下に引き下げられます。このリファイン・オリーブポマースオイルもリファイン・オリーブオイルと同様、エクストラ・バージンオイルやバージン・オリーブオイルと混ぜ合わせて販売されています。また、化粧品の添加物にもしばしば使われています。

<リファイン・オリーブオイルとリファインオリーブポマースオイルへの危険性>

リファイン・オリーブオイルとリファインオリーブポマースオイルはひとつの問題を持っています。それは、これらオイルの高温での工業プロセスに用いられるPAH(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons(多環芳香族炭化水素)と呼ばれる新しい化学化合物のグループに発がん性が潜んでいると思われるからです。

このプロセスによって、ベンゾ(a)ピレンと呼ばれるPAHが化学変化を起こし、フルオランテン、アントラセン、およびクリセンなどの化学物質を形成し、それらの物質が非常に高い発がん性を持つと示唆されています。

オリーブオイルの生産国と国際オリーブオイル協会は数年にわたり交渉を重ね、ヨーロッパでは、オリーブオイルに含まれる安全なベンゾ(a)ピレンの量を規定しました。(2012年時点:ヨーロッパでは食用油1kgにつき、2μg以下。日本では2015年時点:特に定めはありません。)

そのため、合法的にベンゾ(a)ピレンを低下させるために、エキストラ・バージン・オリーブオイルやバージン・オリーブオイルと混ぜ合わせる方法が用いられています。